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注目の臓器、筋膜とは? About fascia

METHOD 筋膜とは?その施術法とは?

注目の臓器・筋膜に起因する
痛みやしびれ。
筋膜マニピュレーションが
その根治を可能にする。
Fascial manipulation enables its radical cure

筋膜マニピュレーション 
スペシャリスト 永井秀幸

これが筋膜。 あらゆる臓器間の摩擦をなくして、 全身の筋肉運動を滑らかに支える。

筋膜は、2000年初頭にWHOによって認められた最新の臓器で、コラーゲンとエラスチンの繊維でできています。それは、全身の筋肉や神経、内臓、関節を約1ミリの薄さで覆い、たとえば足の踵からふくらはぎ、お尻、背中、首を通って、頭の上、手の後ろへと続く『ライン』と呼ばれる長い形状となり、全身に10本まで分類できるとされています。

その筋膜をはさんで皮膚や筋肉との間はヒアルロン酸で満たされ、それが滑って臓器間の摩擦をなくし全身の筋肉運動を滑らかにしているのです。しかも、ジャンプや走りの際にも筋膜の弾性反動特性が発揮されます。

怪我、使い過ぎ、不動、内臓疾患によってヒアルロン酸の高密度化が生じる。

このヒアルロン酸は、筋膜にある線維芽細胞で作られますが、これが引っ張られると分泌され、同時に古いものが回収されて健全化する仕組みになっています。ところが、骨折などの怪我や手術、身体の使い過ぎ、運動しなさ過ぎ(不動)、あるいは喘息など呼吸器系の使い過ぎによって、または糖尿病、肝障害、腎障害で血液が酸性になることによって、ヒアルロン酸が集まり水分が減って粘りが出ると、筋膜がよじれて滑らなくなるのです。いわゆる高密度化という現象で、これが疼痛などをもたらす原因となります。

出典/系統別・治療手技の展開 改訂第3版より

高密度化はライン上のその先で、
痛みやしびれ、感覚障害、めまい、ホルモン異常まで招く。

筋膜には痛みを感じる感覚器官があり、その感度は筋肉の10倍程度と言われ、痛みなど重い症状が出ます。ところが、その影響はその高密度化が生じた部分には出ずに、つながっているラインのその先に出ることが多く、しかも筋肉系と内臓系そのいずれにも出る可能性があります。そこで、その治療にあたっては、ラインをたどりながらその固まりがどこにあるのかを見つけ出し、解きほぐす施術によって滑る状態に戻すのです。その結果、筋膜の固まりは除かれて再生し肩や腰の痛みが消え、さらにはめまいや耳鳴り、頭痛、生理不順、時にはホルモン異常などの症状も改善されるのです。

FASCIAL
MANIPULATION
筋膜マニピュレーション
という技術とは?

1987年、
イタリアの理学療法士
によって開発、
体系化された
全身性の治療。

筋膜マニピュレーション(Fascial Manipulation)とは、筋膜の機能異常(筋膜高密度化、基質のゲル化、ヒアルロン酸の凝集化)を筋膜配列、筋膜対角線、筋膜螺旋の視点から解きほぐす全身性の施術です。これは、痛みの解消、筋出力の向上、パフォーマンスの向上に目覚ましい成果を出し、筋膜リリースの分野において特殊な手技と位置付けられています。

この技術は、イタリアの理学療法士 Luigi Stecco氏によって独自に開発、体系化された徒手理学療法で、1987年に “Sequenze nevro-mio-fasciali e meridiani agopuntuei”(神経-筋膜配列と鍼術経絡)として発表されました。

国際的評価はますます高く、
世界46か国において技術が
公開されている。

筋膜に関する研究は、氏の論文発表以来徐々に進み、とくに2005年以降は数多くの論文・関連書籍が世界的で発刊されるようになりました。そして2007年10月、ハーバード大学医学大学院において第一回国際筋膜研究学術大会が開催されて氏が表彰され、2009年にはアムステルダム、2012年にはバンクーバーと続きました。

また、日本でも2011年にStecco氏の長女で解剖医のCarla Stecco氏によるワークショップが開かれたのを皮切りに、2012年以降、認定コースが年に数回開催されており、2017年3月時点ではすでに世界46ヶ国において技術講習会が開かれています。

【参考文献】
世界の有力医学誌に多数の
論文が掲載されている。