評価の考え方②/院長要件
なぜ、売上だけじゃダメなんだ。
ここまで、飛び級のように給料が上がったのに。
教育センター長/三軒茶屋院長 寺門 友紀
プロフィール
2018年入社 理学療法士資格保持者。千葉柏リハビリテーション学院 理学療法科卒。 勤務経験/千葉最成病院
自費施術なんだから、売上を達成すればいいじゃないか、それで会社にも貢献できる、十分評価されるはずだと。私もそんな一人でした。しかし、それは違うのです。そこには、もっともっと大切な展開があった。シリーズ2回目は、私個人を題材に「院長要件」についてお話をしようと思います。
入社早々から契約も取れて有頂天、給料も急上昇で院長も目の前だと思いました。
「自費施術は実力主義で結果主義」とよく言われます。そんな中、私は入社してすぐに契約が取れて売上も上がって行きました。こういうパターンの人間もけっこういるんですが、正直、天狗でした。当社が大切にしていた「素直さ、プラス思考、勤勉さ」には共感すらなく、もう自分の給料を上げるためだけ、そんな1、2年目でした。おかげで、給料は飛び級のように上がって行ったし、管理職じゃないですが副院長というポジションにもなったし、院長ももう時間の問題だと思っていました。
そんなある日、役員の一人に言われたんです、「寺門くんは人間的に若いね」と。その直後には別の役員から、さらには理学療法士資格保持者の執行役員からも、まったく同じことを言われました。要は、結果さえ出せばいいっていう考えがまだまだ子どもだと。最初、え?と……、そして、とても不満を感じたんです。
要望が来た。そこには、誰が何を期待しているのか、それを気付いているかと。
ちょうど、水戸院に異動になりました。院長は鶴田さん、新拠点の創業で超忙殺の最中でした。あらゆる業務が滝のように降ってくる中、鶴田さんは「いやだ」も「だって」もなくて、ただ「はいっ」と文句一つ言わず全部一人でこなしていたんです。私は、ある仕事を見て、こんなの自分に関係あるのかなと思っていると、「ああ、大丈夫、やっておくから、キミは施術に集中してね」と言われました。
ところが、そんな鶴田さんは結局、自分のやりたいことをどんどん実現して行くんですね。え、この差は何なんだと思いました。そこで、「これ、やる意味があるんですか」と鶴田さんに問うたら、「こういう意図で自分に依頼が来るんだよ」と言い、「キミへの要望にもこういう理由があるんだろうね」と教えてくれたんです。ハッとしました。それかと。そうしないと次には行けないんだと、思い知らされました。その時、鶴田さんと私の立ち位置にあまりにも大きい差があることに気付いたんです。冷や汗ものでした。
受付さんを教え、店の問題を考える。一段上の視野を持っているか。
そこで、正直に訊きました。自分が院長になるためにどうすればいいのかと。すると、「寺門くん、この店の受付さんを教育できる?寺門くん自身の問題以外で、この店の問題って何だと思う?」。ドキッとしましたね。私は、お客様しか見てなかったんです、しかも目の前のね。その頃、評価というと、自己評価は全部トップの5、できてるでしょってね。でも、鶴田さんからの評価は2~3で、実際の達成度は「数字」が70%だけど、「対応レベル」30%に留まっていた。その理由が上記でした。
以来、もう鶴田さんをマネしました。自分だけじゃなくて店舗はどうなのかという観点で、受付さんやメンバーにも気を配った。その結果、「売上」だけじゃなくて、「対応レベル」も上がったんです。やはり、自分以外の視点からチェックされるとそうなるんだと納得できました。その時でした。なんだか、自分という人間がすごく磨かれたような、そんな感じがしましたね。