先輩・理学療法士は語る①/24歳の転職
病院勤務は2年に届かない。
もっと自分のスキルアップを急ぎたかった。
イーアスつくば本院 成島 卓
プロフィール
2022年24歳で入社、理学療法士資格保持者。目白大学保健医療学部理学療法学科卒 勤務経験/湖南病院・回復期リハビリテーション病棟
病院に来ていなくて困っている患者さんたちはもっともっといる。病院に来る前に治してあげることができないものか。成島の思いは、筋膜との出会いにつながり、やがてスキルアップを目指した転職を成功させた。そして……。
病院に入り治療の現場に携わったが、やがて違和感が…。
成島は、治療して改善した患者から喜ばれることは嬉しかったけれど、ある時から、そもそも怪我をしなければ来院することもなかったのではと思うようになったという。つまり病院は、ある意味、後手に回っているのではないかということだ。
「1年経った頃ですね。病院に来る前に知りたかったって、患者さんからよく言われたんです。それって、保険医療の弱点では?選択肢は何かないのかと思いましたね。それで、自費施術というのにも目を向けてみて調べていくと、筋膜というワードに当たった。興味が湧きましてね。僕はそもそも技術を高めていきたいと思っていましたから」。
成島は筋膜の新たな知識や情報を求めて、病院の中の勉強会に軒並み参加した。そして、その手技の一つに筋膜マニピュレーションがあり、今の病院ではなかなか展開できないということを知った。2年目の中盤くらいだった。
将来不安はぬぐえない。何とか、自分にスキルを付けたい。
成島は、理学療法士の急増という話を耳にし、作業療法士との線引きのあやふやさも感じていた。つまり、自分自身が将来、生き残っていけるのかというのが不安で、他者と差別化できるスキルが欲しかったのだった。
「僕は動こうと決めましたね。それで、早速、転職サービスを頼って、面接のアドバイスをもらうようになった。そして、転職候補社を見る内に、もうここだと決めましたね。とにかく、自費施術を学ぶ研修制度が念入りで、キャリアプランも多様だし、理学療法士資格保持者がメインというのが大きかった。もう、一度落ちても、翌年受けるぞっていうくらいの感じでしたね」。
成島は、社会人2年目の10月に転職活動を開始し、12月に応募・面接、そして年内には転職を成功させた。
入社後、注目の1か月導入研修は、もう圧巻だった。
入社前の事前学習のボリュームに圧倒されたが、成島はそれをこなして導入研修に臨んだ。
「怒涛の1カ月でしたね。手技の触り方をじっくりやりつつ、お客さんへの問診など新規への対応の流れや店舗でのレジ打ち業務まで、同時に3つぐらいのプログラムを1ヶ月でたどっていったんですが、もうあっという間でしたね」。
成島の印象に残ったのは、まずお客様(患者ではない)のニーズを徹底的に聞いて、徹底して応えていくという姿勢。そして、怪我をする前の方々を相手にするという今まで経験したことのない対応の手順。さらに、お客様が私たちを選ぶのだということ。この3つ目こそ自費施術という仕事の本質だと、成島は確信した。病院に長年いるとそこが緩くなる。この点こそ、気を引き締めてかからないといけないと成島は再自覚したという。
スタート2カ月で失速するも、院長たちの手厚いアドバイスでリカバー。
配属当初、成島は順調だったが、2カ月目にガクンと業績が落ちた。そこで、院長や先輩に相談して業務中にきっちり時間を取ってもらい、『どういう風に説明したの?』、『その説明は遠回し過ぎだね』と何度も細かくやり取りして、その中から自分でかみ砕きながら対処して行ったのだ。
「半年かかりましたね。要は、今までの病院と同じく、痛いと言われたところに注目してしまって、お客さんが実際の生活場面で何ができなくてお困りなのか本当のニーズを見てなかったんですね。だから、初回で効果が出たからって終わっちゃってました。でも、女の人だったら家事も育児もあるわけで、まだ改善を続けないといけないはずなんです」。
成島はその結果、お客様からも、「症状が良くなったしケアの仕方を教えてもらったので続けていけそうだ」という言葉もいただけるようになった。
「もう、振り返って、この半年ほど充実していたことってないですね。後悔してることなんて一つもないですよ」。