驚きの筋膜施術②/PMS
主訴は腰痛。しかし、問診で月経前症候群の併発を知る。
ピルでしのいでいたお腹の痛みを施術で解消。
柏店院長 スーパーバイザー 渕田隆洋
プロフィール
2019年入社 理学療法士資格保持者(運動器理学療法専門分野)、筋膜マニピュレーション®レベルⅠ,Ⅱ修了、筋膜リリース(takei concept)修了、 勤務経験/筑波記念病院 経験症例24000以上
お客様の症状と来院の経緯
30代前半、女性のPMS。生理不順などの月経前症候群で、一番のお悩みは生理前のお腹の痛み。毎回、ピルを飲んで調整されていた。ただ、最初の問合せの主訴は腰痛。そして肩のコリ。そこにPMSの症状もあるというので、それも加えて筋膜施術を実施。結果、痛みにピルを飲むこともなくなり、生理不順も解消。
側弯症で大手術、背が高いのがコンプレックスで猫背に、その結果PMSへ。
まず、問診で分かったことは、この方は子どもの頃に背骨がS字に曲がってしまう側弯症になり、中学校時代に背中の上から下まで手術されたとのことでした。また、背が高いことがコンプレックスでいつもしゃがんでいるようになり、前かがみの状態を続けていたため相当な猫背になって、それが固定化し腰も悪くなったのです。そして、その結果、生理が来てからはずっと痛みに悩まされていたということでした。 そもそも、側弯症というのは全身の左右のバランスを崩す症状だったのですが、そこに大きな手術というのが加わったため、筋膜はその両方の影響を受けて相当にバランスが崩れており、肉体的な条件としてはかなりきびしいものだったのです。
腰痛も、肩こりも、PMSも、関係する5ラインの筋膜施術で一気に快癒へ。
施術は、最初、主訴の腰痛を念頭におきましたが、結局、腰の方を施術するとなると筋膜では体の裏表を必ず診るので、ほぼ間違いなくお腹周りの施術もすることになりますし、手順的にはむしろ、まずお腹周りから触らせてもらうことが通常ともなっているのです。これは、筋膜上の同じ原因によって腰回りやお腹周りにも影響が出ることがあるからで、腰痛と言われて腰だけを見るということはまずありませんし、今回のPMS症状についても同様に関係している恐れがあったのです。
そこで、腰とお腹周りを同時に触るという指針をお客様に伝えて納得いただき、施術に入りました。結果、この方は下腹の筋膜のポイントが10カ所以上、面のように硬くなっていて、背中周り、お尻周り、腰回りと、全身の10本のラインの内5本くらいに影響が及んでいました。そこで、今回は、腰痛、肩こり、PMSの各症状に分けてから対処するのではなくて、原因となる筋膜ラインを同時にほぐす施術を実施しまた。その結果、徐々に痛みが減っていって腰痛も取れ、3ヶ月後には、PMSの薬の服用も不要になったとのことです。
自身初の体験だったが、筋膜の硬さを感じて必ず良くなると確信した。
私がこの方に接したのはまだ筋膜施術を始めたばかりの頃でして、PMSに有効なことは知っていましたが、病院でそんな経験はないので最初は半信半疑のところもありました。ただ、実際に触ってみて筋膜の硬さを感じたので、逆にこれは施術によってほぐせて必ず良くなると確信しましたし、おかげさまで効果も出せました。
また、このPMSに関しては、薬を飲めば済むと考えている方も多いと思います。月に一度だし、職場の理解がなくて痛みをこらえて仕事を続けようと薬で一時的に対処するということです。ただ、体は蝕まれていくのです。その結果、薬も効かなくなったり、腰痛などの連鎖も生まれてくるし、冷え性など自律神経系にも関与してくる。つまり、薬は対処療法に過ぎないと考えるべきで、筋膜施術による根治を勧めるのが正しいでしょう。
※効果には個人差があります。